『暗い鏡の中に』

本格ミステリを読んだ! 久々にそんな気分にさせてくれる本だった。
文庫で300ページ足らずなのに、この充足感はなんだろう? すばらしい。

分身現象による殺人事件を題材にした作品で、人の強い念だか何かによって現われた分身が殺人を犯すというストーリーなのだが、私としてはそんな超常現象で事件が片づけられてしまっては困る、真犯人がいるはずだと信じて読み進んだ。そして、結末は納得のいくものだった。
けれど、読む人によって、結末はまったく異なるとらえ方ができるようになっている。私にとってはあくまで本格ミステリだったけれど、人によっては幻想ミステリになるらしい。“幻想”として読み終えた方の感想も、ぜひ聞いてみたい。

昨年、やはり新訳で出版された同著者の『殺す者と殺される者』もおもしろかったけれど、個人的にはこちら(『暗い鏡の中に』)のほうがさらにおもしろかった。
この作品は“長いあいだ絶版になっており、「名のみ知られた傑作」として伝説化していた”(巻末の解説より)そうで、たしかに傑作とはこういう小説を言うのだろうと、その点でも納得の一冊だった。

今回、新訳が出なければ、おそらく読む機会はなかったはず。
それを思うと、「刊行してくれてありがとう!」と大きな声でお礼を言いたくなった。
(森嶋マリ)

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この記事へのコメント

小林さゆり
2011年10月04日 22:35
おお! すごく読み応えがあったんですね
念で現われた分身が人を殺す……とだけ聞くと、ちょっと敬遠したくなるけれど、結末に納得がいったというなら、興味がわきました。
読んでみようかな。
森嶋マリ
2011年10月05日 09:54
さゆりさま、クラシックなミステリもいいものだと、あらためて思える作品だよ。適度な長さで読み応えがあるから◎。お勧めです

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  • プラダ 財布

    Excerpt: 『暗い鏡の中に』 We Love Mystery!/ウェブリブログ Weblog: プラダ 財布 racked: 2013-07-06 03:28