『黒竜江から来た警部』読書会レポート

9月11日に文京シビックセンター・会議室にて、『黒竜江から来た警部』の読書会がありました。
どんな会だったのかレポートを、というリクエストをいただきましたので、僭越ながら雰囲気だけでもなんとかお伝えできればと思います

読書会には三十名ほどの方々がご参加されました。ほとんどが女性です
まずはひとりずつランダムに指名され、それぞれ感想を述べるというスリリングな形式で進行しました。

「スピード感がある」というコメントが多かった一方で、「なかなか進まなくて、まどろっこしかった」というご意見があったり、「ちょっと中国人を見下しているのでは」という印象をお持ちの方もいれば、「見下しているとは思わなかった、著者が中国のことを良く理解して描いているのが伝わってきた」という反論もあり。
「父と娘の関係をもっと深く描いて欲しかった」
「上海の警部がロンドンに娘を捜しに行くという設定だったら、ぜんぜん違う展開になっていただろう」
「コミカルな話かと思っていたら、移民の置かれている状況など重いテーマが扱われていて、読んでいてつらくなった」
「章節が短いから読み進めやすい」
「無駄なシーンや視点の切り替えの多さが気になる」
「あれだけ暴れまくって大丈夫なのか」
「車を乗っ取るシーンにジエンの優しさが表れている」
「〃花を摘む〃ってなんのこと?」
 ……などなど、いくつもの思いがけないご意見をうかがうことができて、読書というものの奥深さを再確認しました

ディン・ミンというキャラクターについては、「いらいらした」派と「いじらしい」という擁護派に分かれましたが、わたしは彼の実は図太いところがけっこう好きです。「ああいうタイプの人ほど、しぶとく生き延びるものだ」というご意見には、妙に納得してしまいました

香港映画に詳しい方がいらっしゃったので、映画化するなら誰にやってもらいたいかという話も盛り上がりました。
こういう妄想って何より楽しいですよね
わたしはジエンにはアンソニー・ウォンをイメージしていましたが、サイモン・ヤムがいいというご意見もありました。著者の中ではチョウ・ユンファのようですが。

そのほかにも、各国の文化のあり方の違い、不法就労者の問題、ジエンとディン・ミンの比較、翻訳について、装丁やタイトルの意図、さらには出版翻訳の現況についてなど、さまざまな話題が取り上げられ、あっという間に時間が過ぎました

続編が出たらまた読書会を……という嬉しいお話もありましたが、本当に続編が出るのかどうかは微妙なところです。著者は次の舞台はアフリカにと考えてはいるようですので、気長に待ちたいと思います

幹事の皆様、参加者の皆様、ご感想をくださった皆様に、この場をお借りして心から感謝をお伝え申し上げます。

 チャント(無理してでも絵文字を使いたいお年頃

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この記事へのコメント

偶然の旅行者
2010年09月14日 05:37
さっそくのレポートありがとうございます。
なるほど~。感想はランダムに指名だったんだ……それは確かにスリリングかも(笑)。思ってもみなかったような意見が聞けるのが読書会の醍醐味ですよね。お疲れさまでした。
ホロホロ
2010年09月14日 14:13
なかなか充実した読書会でしたよね

博識な方がそろってらして、勉強になりました

ディン・ミン、なんだかんだとけなされつつも、けっこう人気者で、母性本能をくすぐるタイプなんでしょうね。
日本でドラマ化するならぜったい瑛太がいいな。

(た)
2010年09月14日 15:14
レポート、楽しく拝読しました~。ありがとうございます。
ディン・ミンの強みって、都会ずれしていない、よくも悪くも自分が暮らしていた田舎での価値基準、判断基準しか持ち合わせていないことではないかという気がします。だから、妙な知恵に惑わされず、まっすぐ図太く進めるのではないかと。
ニューヨークで深夜、暗い路地でチンピラの撃ち合いに遭遇しても、アフリカで槍を持った部族に追われても、きっと生きのびると思います(って、ちょっと違う?)。

他トピにいただいたコメントへのお返事ですが、ルイスさんが描く若い女性ってキャラが立ってますよね。後半に登場する女性もナイスでした。
チャント
2010年09月14日 17:08
偶然の旅行者さん、そうなんです、ランダムに指名。
ホロホロさんがかなり早い時点で指名され、ディン・ミンに対するいらだちを吐露して笑いを誘ってました。

本当にあらゆる方面に詳しい方々が参加されていて、参考になるお話がたくさん聞けました。ウォシュレットの話とか

日本版ディン・ミン、瑛太だと悲壮感が漂いすぎる気もしませんか?
ブラック・フォートは要潤がいいなあ。

(た)さんのディン・ミン分析、これまた納得です!
ジエンにとっては「純粋すぎてめんどくさいヤツ」だったかもしれませんが、「目的のためにまっしぐら」なところは二人に共通して言えることですよね。

それにしても、散々な目に遭うのがディン・ミンの存在意義みたいで、ちょっと可哀相、だけどやっぱり期待してしまう……
ホロホロ
2010年09月14日 18:51
ブラック・フォートは要潤
いいですね、ぴったりな気がします。

ジエンは國村隼かな~。

ディン・ミンはちょっと年いきすぎちゃいますが、筒井道隆でもいいなあ……

おっと、すいません、妄想が止まらない
2010年09月14日 19:42
おお、盛り上がってますね!

読書会、行けなくてすみませんでした。
レポートありがとうございます。
『黒竜江~』はハラハラしながら読みました。
ジエンに國村隼、いいですね~。
ディン・ミンはもうちょっと線の細い水嶋ヒロとかでもいいかも。

チャント
2010年09月15日 00:25
ホロホロさんご提案の國村隼、ナイスチョイスです!
純朴な青年=筒井道隆という気持ち、わかります。

ひよこさんから事前にいただいたすばらしいご感想、たいへん励みになりました
水嶋ヒロがディン・ミンで、あんな目に遭ったり、こんな目に遭ったりと思うと……妄想が危険な方向に向かいそうです。

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